介護職にむかつく職員がいる理由とストレスの対処方法

介護職にむかつく職員がいる理由とストレスの対処方法 働き方
あの人と同じシフトは嫌だ!
むかつくけど自分が我慢すべきなのかな?
自分がむかつかれていないか不安…

どこの職場にも、むかつく人が一人くらいはいるかもしれませんが、介護職の場合はチームで仕事をするだけに、人間関係がとても大事。「あの人と同じシフトは嫌だな」「あの人がむかつくけど、職場の雰囲気を悪くしたくないから、我慢すべきなのかな」など、悩んだことはありませんか?

どこの職場にも、むかつく人が一人くらいはいるかもしれません。
私が介護職員として働いていた時にも「一緒にシフトに入りたくない!」と言われている職員さんがいました。

私自身も、その方から色々と嫌がらせを受けた経験があります。無視されたり、私が入浴介助の当番でない日に勝手に当番表に名前を書かれたり…。

当時は「自分に悪いところがあったのかもしれないから我慢しなきゃ」とか、「あの人むかつくよね」と他の介護職員さんと陰口を言ったりしていましたが、先輩や上司に相談したことで、どちらもあまり良い方法ではなかったと気づくことができました。

この記事では、「むかつく~」と思われがちな介護職の例や、ストレスの対処方法についてご紹介します。今まさにこの問題に悩んでいるのなら、ぜひ最後まで読んでストレスを溜め込まないようにしてください。

介護職にむかつく職員がよくいる理由とは?

これは元介護職員としての経験談ですが、介護の職場では「あの人がむかつく」といった声が、同じ職員同士でよく聞こえていました。その背景には、介護職ならではの環境も1つの要因であると思います。

時間や気持ちに余裕がない

多くの介護現場は、法律で定められた人員基準ギリギリで運営し、人手不足に悩んでいます。より丁寧にケアをしようとしても基準ギリギリの人員では限度がある、と多くの介護職員が葛藤し悩んでいるのではないでしょうか。

そんな中で、少しでも良いケアを提供しようとすれば、それだけ時間も手間もかかるのは当然。入浴や食事など、施設や事業所で決めたスケジュールにも間に合わせる必要があります。

介護職は、常に時間を意識しつつ、その中で利用者さんのケアプランに沿ったケアを提供しなければなりません。職員が十分にいれば、一人あたりの仕事量は少なくなり、気持ちにも余裕が生まれるでしょう。

反対に、人手不足に悩む職場なら、当然一人あたりの仕事量は多くなります。時間や気持ちに余裕がなく、他のスタッフへの配慮まで気が回らないなどの現象が起こりやすくなるのです。

個別に評価しづらい職種である

介護職は、数値などの客観的な指標で個人の能力を評価しにくい職種です。例えば、一般企業の営業職であれば、営業成績が数字として現れるので評価しやすいですよね。

しかし、介護職の場合はどうでしょうか。入所系であればベッド回転率や在宅復帰率、重度者割合などで「頑張っているなぁ」と評価されることもありますが、これは施設や事業所全体の評価であり、個人の働きぶりに対する評価とは言えません。

個別に評価しにくい職種だからこそ、「自分は頑張っているのに報われない」「頑張っていないあの人と給料が同じなのは納得いかない」といったネガティブな感情から、周囲との軋轢ができてしまう。こういった状況を見たことがある介護職員さんは、私を含めて多いと思います。

本人がむかつかれていることに気づきにくい

むかつかれる職員の多くは、あなたや同僚だけでなく、利用者である要介護高齢者にも、むかつかれていることが多々あります。特に、言葉使いや所作が雑だったり、人の気持ちを逆撫でたりすることが原因でむかつかれている人は、自覚なく利用者さんに対しても同じことをしがちです。

しかし、利用者さんはお金を払ってサービスを利用している立場でありながら「お世話をしてもらっているから」と遠慮してしまうことが多々あります。「本当は、職員が行うケアに不満があるけど、助けてもらわないと自分が生活できないから黙って我慢する」という方も、残念ながらいらっしゃいます。

こういう現状から、介護職員自身が不満を持たれていることに気づきにくかったり、「これくらいは大丈夫だろう」と勘違いしてしまったりすることも1つの要因かもしれません。

どんな職員がむかつく?現場で出会う可能性がある介護職員の例

常に後輩にマウントをとりたがるベテラン

先輩・後輩の関係でよくありがちな例です。介護の仕事は時代の流れとともに変わってきた部分も多々あります。過去の話を後輩の学びの一部にするために、話すことは決して悪いことではありませんし、学ぶべきことはたくさんあります。

しかし、ベテラン職員の中には、「自分が経験した苦労は若い人もすべきだ」と考える人がいたり、「今は昔に比べると楽だ」と主張してマウントをとろうとしたりする人がいるのも事実です。

先輩の自慢や苦労話をただ聞かされ、時代に沿わない方法を押し付けられるのは、後輩にとっては迷惑な話ですよね。「昔に比べると楽なんだから」と言われながら仕事をするのも、相手によってはむかつかれてしまいます。

理不尽なくらい怒る先輩

誰しも、仕事に慣れるまでには時間がかかります。また、仕事の能力は人それぞれ。これはどこの職場も同じことです。仕事を覚えるまでは、時には注意を受けたりすることもあるでしょう。しかし、中には社員教育とは言えないくらい怒りすぎる先輩も…。

細かいことまでネチネチと叱り続ける、利用者さんに気を遣わせるほど大きな声で怒るなど、やりすぎな程怒る先輩と一緒には仕事をしたくないですよね。

自分こそが正しいと思っている逆ギレ職員

介護現場に長く居続けると、初心や客観的な視点を忘れてしまうことがあるかもしれません。丁寧な声掛けや介助、気配りなどは、慣れによっておろそかになりがちです。

人に言われて我が振りを直せる人であれば、いつまでも謙虚に、そして常に新しい方法を吸収しながら介護にあたっているかと思います。しかし、そうでない人は、注意されたとしても自身の非を認めず、むしろ自分のやりかたが正しいと思い込み、逆ギレすることも。

上手にサボる同僚

仕事に慣れてきた人やベテランの中には、手の抜きどころを熟知している人もいます。効率化と言えば聞こえはいいですが、自分がサボるための悪知恵ばかり働く人は、真面目に仕事をしている人からすると、むかつく存在です。

人の目の届かないところで雑な業務をする、サボるなど、一人の怠け癖のせいで誰かにツケがまわってきます。ひどい場合、そんなサボりが職員感で広がってしまい、本当に真面目に仕事をしている人ばかり損をしてしまうこともあります。

理想ばかり押し付けてくる経営陣

これは、職員とは言えないかもしれませんが、理想論ばかり言って現場のことは何も知らない、知ろうとしない経営陣や幹部も、むかつく存在になるかもしれません。特に、最近は介護事業に民間企業も多く参入しており、建設会社などが運営する施設・事業所も増えました。

介護や医療の現場を知らない人が自分の上司になったら、しかもその上司が介護現場には関与せず運営のことばかり考えていたら、どうでしょうか。介護現場の苦労を知らず、ただ理想論ばかり言う上司も、介護職員からするとむかつく存在になり得ます。

「むかつくけど我慢…」ストレスを我慢する介護職員は燃え尽き症候群に注意!

もし自分の職場に、むかつく職員がいたとしても、本人を目の前にして堂々と自分の意見を言える人は少ないかもしれません。

特に、介護経験が浅い場合はなおさらです。ベテランでも「周囲の雰囲気を悪くしたくない」という思いから、我慢している人もたくさんいます。

しかし、我慢しすぎてしまう人は、そのストレスだけでなく、燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥る可能性も高まるので注意が必要です。

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは

燃え尽き症候群とは、真面目に熱心に仕事に励んでいた人が、ある日突然やる気をなくして熱意や意欲を失ってしまう状態のことを言います。

うつ病とは違って努力が実らなかった時や、大きな目標・仕事をやり終えて次の目標がなくなった時などに起こりやすいと言われています。ただし、この燃え尽き症候群からうつ病に発展することもあるようです

症状の特徴としては、無気力、意欲の低下、いいかげんな対応、遅刻や欠勤などがあります。仕事に精を出し尽くして疲れ果て、何もかもどうでも良いと思ったり、仕事で関わる人とコミュニケーションをとるのが面倒、あるいは嫌だと感じ、それが態度に出てしまうようになることなどが特徴です。

燃え尽き症候群になりやすいのは、真面目でひたむきに仕事をする人や、若い人、その仕事の経験が浅い人などと言われています。そして、長時間労働やノルマが厳しい仕事、人を相手にする仕事、サービス業、人材不足の職場といった環境が燃え尽き症候群を引き起こしやすいと考えられています。

ストレスを溜めないための対処と発散方法を紹介

むかつく職員が自分の職場にいたときは、ストレスを上手に発散して燃え尽き症候群にならないようにすることが大事です。「ストレスを解消しなくちゃ!」と過剰に意識して何かをするのではなく、日頃からできるちょっとした心がけが、気持ちを楽にすることにもつながるため、ぜひ以下の方法を参考にしてみてください。

仕事の範囲を明確にする

介護職の多くはシフト勤務で、自分の勤務時間は明確に決まっています。入所施設等は24時間体制ですので、自分の勤務が終わってもその後の時間を守る人員は配置されています。

しかし、頼まれごとが断れないなどの理由で他の職員に引き継ぎができず、ついつい残業していませんか?

引き継げる仕事は引き継ぐ、頼まれごとはすべて自分だけで解決しようとしないなど、決められた時間で仕事をするようにしましょう。

仕事以外の予定を詰め込みすぎない

休みの日の使い方は個人の自由ですが、予定を詰め込みすぎず自分の気分のままに過ごせる日を確保しておきましょう。休みの日に予定がギチギチに入っていると、疲れてしまいます。

家事や育児などのバランスをみて、無理に頑張りすぎないことが肝心です。そして、疲れたと感じたら、しっかり休みましょう。

むかつく職員には適度な距離を保つ

むかつく職員との関係は、仕事上だけの最低限必要なものだと割り切って考えましょう。穏やかに関わりはしても、必要以上に仲良くしないという線引きが心を軽くしてくれることもあります。

それでもむかつく!ストレスフル!そんな時はどうする?

できる限りストレスを減らそうとしても、既に気持ちが落ち込んでいてどうしようもない時もあります。

とにかくストレスが溜まりすぎて今すぐに逃げ出したい時は、環境を変えるために他の施設に移動できないか相談するのもアリです。それが難しい状況なら、転職という方法もあります。

介護職と一言で言っても、その働き方には多くの選択肢があります。施設や事業所の特徴や役割によって、規模や仕事内容が大きく変わります。

大規模な施設もあれば、とても小規模な施設もありますし、多数の利用者を複数の職員で対応する施設もあれば、基本的にマンツーマンで関われる訪問介護等の事業所もあります。

今の職場でストレスに苦しみながら仕事を続けるよりも、自分に合った環境で仕事をして人間関係を新たに構築する方が、心の負担を軽くすることもあります。

どんな施設や事業所があり、それぞれがどんな特徴を持っているのか。まずは求人情報などを見て、選択肢の多さを実感してみてください。

介護現場にむかつく職員がいる時こそ上手にストレスを発散しよう

介護職に限らず、むかつく職員の存在に悩む人はたくさんいます。今回ご紹介した方法で上手にストレスに対処しつつ、それでもダメなら異動や転職も含めて検討しましょう。

大事なのは、あなたの心と体を守ることです。自分に合った職場や環境で生き生きと仕事ができる可能性は、誰にでもあります。

意外と知られていませんが、介護職は職場選びの選択肢が多い職種です。ぜひ自分に合った職場を見つけてください。

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