【体験談あり】介護職を「辞めてよかった」と言えるのはどんな人?

【体験談あり】介護職を「辞めてよかった」と言えるのはどんな人? 働き方
介護職は辞めたいけど、後のことが不安
他にやりたい仕事がある訳でもない
辞めてよかったという人の体験談を聞きたい

介護職員の仕事は、社会から必要とされる尊い仕事です。
しかし、人間関係、お給料が低い、体力的にキツイ、経営理念が合わない、などの理由から辞める人が多いのも事実です。

私が働いていた介護施設でも、辞めていった同僚は何人もいます。
ただ、辞めるときに「他の場所で上手くやっていけるか不安…」という人は少なくありませんでした。

この記事では、私の同僚で「介護職を辞めてよかった」と言っている人の体験談や、どうすれば後悔せずに辞めることができるのかを解説します。

介護職を辞めてよかった人の【体験談】

介護職を辞めたいと考えている人の中には、今後の生活が心配で実際には辞められないからと頑張っている方もいるでしょう。しかし、今の職場を辞めることで悩みが解消し、結果として「よかった」と感じている人はたくさんいます。

S・Tさん
S・Tさん

ライフスタイルの変化に伴い無理のない選択
介護福祉士(28歳・女性)
働きながら介護福祉士を取得。特養現場ではユニットリーダーを任され、順調にキャリア形成していました。結婚して子どもができても、育休をとった後は元通り何とか働けるだろうと思っていました。

しかし、自分が考える以上に、育児との両立は大変でした。職場復帰時には日勤のみの出勤に変えてもらったものの、週5日、毎日8時間働くことがこんなにしんどいとは…。夫も育児には積極的ですが、それでも出来ることには限度があります。いつも頭がいっぱいで目まぐるしく、気持ちにも余裕がなくなりました。

このままではいけないと、思いきって一度退職をし、子どもが3歳になるまでは育児に専念することに。そして、今はパート勤務で復職しています。焦らず、子どもの成長に合わせて、またフルタイム勤務に戻ろうと思っています。

W・Yさん
W・Yさん

ゆっくり利用者様と関わりたい。やっと自分に合う職場を見つけた
介護福祉士(30歳・女性)
介護職に就職できた時はとても嬉しく熱意に溢れていました。しかし、実際に働いてみると、自分の理想とはかけ離れた現実に心が折れかけていました。

大型施設の中で働いていると、どうしてもたくさんの人を複数の職員が担当することとなり、自分だけゆっくりと利用者様と関わるわけにはいきません。しかしそれは、私のやりたいこととは違うような気がして、小規模のデイサービスに転職しました。

10名程度の利用者様に3名の介護職員。給与面では少し落ちましたが、私にとって居心地の良い環境で仕事ができるというメリットを考えると、長い目で見たときに決して悪い決断ではなかったと思います。

K・Sさん
K・Sさん

もっと色々な経験を重ねたいから老健へ
介護福祉士(25歳・男性)
新卒でグループホームに就職しました。認知症の方のケアは奥が深く、毎日勉強させてもらってやりがいもありました。しかし、グループホームの利用者様は全部で8名。みなさん長期的に入居されるため、新規の利用者様に出会えるのは年に数回だけです。

自分はもっと沢山の利用者様と関わり、認知症ケアだけでなく身体介護の技術や高齢者の病気のことなど、もっと経験値を増やしたいという思いから職場を辞め、老健に転職しました。

老健は在宅復帰する施設柄、利用者様の入れ替りが早くたくさんの専門職がいて、その中で学ぶことはとても多く満足しています。

M・Hさん
M・Hさん

自分をしっかり見つめ直すために
介護職員※初任者研修受講済み(20歳・男性)
介護職は、何となく自分に合っている仕事なのでは、と思い気軽に就職してしまいました。実際は、色んな症状の利用者様がいて、とてもハード。毎日疲労困憊で、また職場の人間関係がうまくいかず、気持ちの余裕さえ無くしてしまいました。

このままではいけないと、心と体を休ませるために介護職を辞めましたが、それからしばらく経つとだんだんと冷静さを取り戻し、職場の雰囲気が自分には合っていなかったのではと思うようになりました。

介護現場といっても、施設の種類によって特徴が全然違うようなので、色んな施設のことを知ってから新たな職場を見つけていこうと思っています。

みんなが介護職を辞めた理由

現職の介護職の方々の中には、「辞めたいけど辞められない」、「辞めたいけど将来が不安」などの悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。せっかく就職できた職場を辞めるというのは、そう簡単にできる決断ではないかもしれません。

介護職を辞めた理由

参考:厚生労働省「介護労働者の雇用管理の状況について 労働市場分析レポート第91号 平成30年7月31日」

上のグラフは厚生労働省が平成30年7月に発表した「介護事業所を辞めた理由」の調査結果です。どのような理由で介護職を辞める人が多いのか解説していきます。

最も多い離職理由は「職場の人間関係への不満」

どの職場も言えることですが、介護現場においても人間関係への不満によって辞める人が多いようです。全体の離職理由のうち、23.9%は人間関係によるものです。

介護現場は、特に人間関係の悩みが発生しがちだとよく言われます。介護職は一人で黙々とできる仕事ではなく、複数のスタッフが常に連携を図り協力しあいながら行う仕事だからです。

人間関係が良好であれば仕事もしやすいですが、その反対であれば精神的に厳しい状況になるのかもしれません。

職場の理念や運営への不満が離職につながるケースも多い

「職場の人間関係への不満」に次いで多いのが、「結婚・出産・妊娠・育児」によるもので、割合としては20.5%、そして3番目に多いのが「理念や運営のあり方について不満があった」という理由。これは、18.6%にもなります。

自分が介護の仕事をする上で大事にしたい事と職場の理念がマッチしていない場合、日々の業務に違和感や不満を持つ原因となります。

介護そのものが嫌で辞める人は少ない

介護職から離職した人の中には、いざ働いてみると介護が「自分に向かない仕事だった(6.1%)」と、仕事内容が原因で辞めてしまう人もいます。

しかし、全体の比率で見ると少数のようです。これは職場や働き方が変われば、また介護職として働ける人が多い、ということなのかもしれません。

介護職を辞めて後悔しないための転職方法

「介護の仕事を辞めたい、でも後悔はしたくない」と思う方は、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。

まずは辞めたい理由を整理

先述した厚生労働省のデータによると、介護職を辞めたいと考えている方の多くは介護という仕事そのものが嫌なのではなく、職場の人間関係や経営理念、将来への不安などが関係しているケースが多いようです。 とはいえ、その理由は人それぞれ。まずは、自分がなぜ介護職を辞めたいのか、整理してみましょう。

職場を変えずに解決できるかどうか考える

辞めたい理由が分かれば、そこから解決策を探しましょう。場合によっては、自分一人ではどうにもならないこともあるかと思います。

勤務時間を変えたいなどの希望は、上司にかけあって解決できる問題かもしれませんが、人間関係や待遇面についてはすぐに解決することは難しいでしょう。

本当は職場を変えたくないと思っている場合、ここを疎かにすると後悔につながります。辞めたい理由を整理した上で、できる方法を考え、その上で職場を変えるべきか検討してみてはいかがでしょうか。

とにかく今の職場にいることが辛い、今すぐにでも辞めたいと思っている方にとっては、もはや解決できるかどうかが問題ではないかもしれません。

しかし、転職するとしても「辞めたい」と思った理由の整理は必要です。新たな転職先を探すための重要な条件になるからです。

介護職を「辞めてよかった」と言える職場を選ぼう

あまり一般的には浸透していませんが、介護職というのは働く職場の選択肢が多い職種です。

介護施設には様々な種類があり、それぞれ特徴や役割は異なります。また、同じ種類の施設だとしても、その施設の理念や介護の方針は違うため、環境が変わっただけで働きやすくなるということも珍しくありません。

辞めたい理由は人それぞれですが、「介護の仕事はしたい、でも今の職場は辞めたい」と考えるのであれば、自分が働きやすいと感じる職場を探してみましょう。

自分に合った職場が見つかると、きっとやりがいを持って仕事ができたり、自分の心と体の良い状態を保ちやすかったりと、状況は好転するはずです。

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